肉体改造を始めると決めた時、最初にぶつかる壁が「どこでやるか」問題です。 多くの人は「まずはジムに入会しよう」と考えます。私も最初はそう考えました。
しかし、自分の置かれた環境や私自身の体格、生活スタイルを冷静に考えた結果、私はあえて「ジムには行かない」という決断をしました。 そして、自宅でたった3つの種目を極めることが、今の私にとって最も効率的だという結論に至りました。
もちろん、ジムの設備や環境が素晴らしいことは理解しています。あくまで「私の場合は、自宅の方がメリットが大きかった」という話です。 今回は、なぜ私がジムを選ばなかったのか、そして自宅でどうやって高負荷を実現するのか。その戦略とロジックを共有します。
なぜ私は「ジムに行かない」のか
私がジム通いを選択しなかった理由は、物理的、心理的なハードルが非常に高かったからです。
1. 物理的な壁(雪と熊と距離)
これが一番大きな理由かもしれません。私が住んでいるのは豪雪地帯の山間部です。 最寄りのジムまでは車で片道1時間以上かかります。往復で2時間。冬になれば吹雪で道が閉ざされることもあります。 「通うだけで一苦労」の環境で、ジム通いを習慣化するのは現実的ではありませんでした。
2. 心理的な壁
185cm/96kgという、ただ太っているだけの今の身体で、トレーニング上級者が集まるジムに行くのが恥ずかしかったのです。 被害妄想かもしれませんが、冷ややかな視線を想像してしまい、トレーニングに集中できない自分が容易に想像できました。
3. コストの壁
往復2時間の移動時間は、今の私にとっては貴重な勉強や睡眠の時間です。 また、ガソリン代と会費を合わせれば、年間10万円以上の出費になります。 それならば、そのお金と時間を自宅の環境構築に投資した方が、継続もできて、成功に近づけると考えました。
「ジム並み」とは何か?(物理演算による証明)
自宅トレというと「軽い運動」というイメージがあるかもしれません。しかし、私の体重(96kg)においては、その常識は覆ります。 私は「扱う重量(負荷)」において、自宅トレがジムのウエイトトレーニングに匹敵する強度を出せると計算しました。
例えば、胸を鍛える場合。 私の体重を使った「腕立て伏せ」の負荷係数は、体重の約65〜70%と言われています。
計算: 96kg × 0.7 ≒ 67.2kg
スタート時点で、すでに約67kgのプレスを行っていることになります。 さらに、ここに20kgのウェイトベスト(約8,000円)を着れば、負荷は約87kgに跳ね上がります。 これは、ジムで中級者が行っているベンチプレスの重量と同等の水準だそうです。
もちろん、バーベルベンチプレスと腕立て伏せでは、軌道や筋肉の収縮の仕方が違うため、全く同じ効果とは言えません。しかし、「筋肉に与える物理的なストレスの大きさ」という意味では、十分に筋肥大を狙える高負荷を実現できます。
「自分の重すぎる体重」こそが、今の私にとっては最強のダンベルなのです。
私が選んだ「3つの種目」とその理由
ジム並みの負荷を、自宅で、低コストで実現する。 そして、忙しい中で効率よく全身を鍛えるために、「コンパウンド種目(多関節運動)」に絞り込みました。 一つの動きで複数の筋肉を同時に動員できる、以下の3種目を徹底的に行います。
1. 【脚】ブルガリアンスクワット
役割:バーベルスクワットの代用
両足で行うスクワットでは、自重だけだと負荷が足りなくなります。 しかし、片足で行うブルガリアンスクワットなら、体重のほとんどが片足に乗ります。 96kgの私がこれを行えば、片足に約80kg近い負荷がかかります。これは、ジムで自分の体重以上のバーベルを担いでスクワットをするのと同等の強度です。 お尻、太もも、体幹を一度に鍛えられる最強の足トレです。
※ブルガリアンスクワットはバランスを取るのが非常に難しい種目です。慣れるまでは必ず壁や椅子の背もたれに手を添えて行うのをおすすめします。支えがあってもあまり脚への負荷は逃げません。
2. 【胸】腕立て伏せ(プッシュアップ)
役割:ベンチプレスの代用
前述の通り、今の私には67kg相当の負荷がかかっています。ここにさらにプッシュアップバーを使って可動域を広げ、ゆっくり下ろす(ネガティブ動作)ことで、大胸筋、肩、上腕三頭筋を強烈に刺激します。 ベンチプレスのように「潰れて怪我をする」リスクがないため、限界まで追い込めるのが最大のメリットです。回数×セット数が安定してこなせるようになったら、加重ベスト(MAX+20kg)を追加して負荷をさらに高めていく予定です。
3. 【背中】懸垂(チンニング)
役割:ラットプルダウンの代用
背中だけは、道具がないと鍛えられません。そのために「懸垂台」だけは導入することにしました。 自分の体重(96kg)を引く。これはジムのラットプルダウンマシンのフルスタック(一番下の重り)に近い負荷です。 背中だけでなく、二頭筋や握力も同時に鍛えられます。今の私には重すぎて1回もできませんが、「ゴムバンド」で補助することで負荷を調整しながら行います。
基本のトレーニングスケジュール
トレーニングは「週3回(1日おき)」を基本とします。 部位分けはせず、毎回この3種目を全身法で行います。
頻度:
月・水・金(または火・木・土)
種目:
- 懸垂(バンド補助あり):10回 × 3セット
- 腕立て伏せ:限界まで(目標10回) × 3セット
- ブルガリアンスクワット:左右10回 × 3セット
所要時間は30分〜40分程度。 これなら、仕事が忙しくても隙間時間で完遂できます。
環境・生活スタイルによる運動不足を補う活動
筋トレとは別に、私は在宅ワークで通勤がないため、一般的な会社員に比べて日常の活動量が極端に少ないのが悩みでした。 そこで、季節ごとに以下の運動を「通勤代わりの有酸素運動」として組み込みます。
冬(12月〜2月):除雪作業
私は豪雪地帯に住んでいるため、この時期には多い時には週4〜5回、1回30分〜90分の除雪が発生します。 これを「労働」ではなく「全身を使った高強度の有酸素運動」として定義します。重い雪を運び、全身を使って投げる動作は、ジムの有酸素マシン以上のカロリー消費になります。 ただ除雪をした日は、脚や背中が疲労しているため、筋トレを休むか軽めに調整しようと思っています。
春〜秋(3月〜11月):自宅内有酸素
雪がなくなると運動量が激減するため、ここからは意図的に動きます。外は最近は熊など野生動物が出るためひとりで散歩がしにくいです。そこで、室内でできる「Fit Boxing(ボクササイズ)」や「踏み台昇降」を1日30分程度行い、活動量をキープします。
結論:今の私には「自宅」が最適解
移動時間ゼロ。待ち時間ゼロ。他人の目線ゼロ。 そして、自分の体重という無料のウェイトは使い放題。
もちろん、将来的にさらに高みを目指すならジムが必要になるかもしれません。 しかし、185cm/96kgの私が「標準的な体型」と「動ける身体」を取り戻すまでのフェーズにおいては、自宅こそが最も効率的に身体を変えられる場所だと判断しました。
この「自宅ジム戦略」で、来年の夏までに身体を仕上げていきます。トレーニングを重ねた結果や身体の変化については今後随時アップしていきますのでチェックしてみてください。それではまた!

